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山内 通則*; 西谷 健夫; 西尾 敏
プラズマ・核融合学会誌, 80(11), p.952 - 954, 2004/11
低アスペクト比を目指すトカマク炉では、トーラス内側構造を極力小さくする必要がある一方、トーラス外側構造の割合が大きくなる。そこで比較的大きな領域を要するトリチウムの増殖は主としてトーラス外側で行い、トーラス内側では超伝導コイルの遮蔽を主目的とする設計が合理的となる。最適な内側遮蔽構造は、材料にW及びVHを使用すれば、真空容器とコイルケースを除いた遮蔽体厚さを5758cm程度にできる可能性がある。ただし、Wは強い残留放射能等の問題があるので、Wを除いた構造ならば約7476cmの遮蔽厚が必要となる。一方、外側ブランケットには増殖材としてLiOや液体Liを使用し、トーラス内側に反射体を設ければ、大きなTBRが期待できる。LiPbは将来的には有力なトリチウム増殖材であるが、十分なTBRの設計が難しい。この場合内側にリチウム鉛(LiPb)の中性子反射体を設け、内側のTBRも回収できれば、トリチウムの自己供給が可能な核融合炉が実現する。
栗原 良一
JAERI-Tech 2004-052, 39 Pages, 2004/07
核融合動力炉の設計において、コンパクトな炉で高い核融合出力を達成しようとすれば、プラズマから第一壁やダイバータ板上に数MW/mの熱流束と高速中性子束が作用する。その場合、第一壁表面や材料中に微小き裂が発生する可能性は十分考えられる。微小き裂が疲労やクリープなどによって有意な寸法のき裂に成長した場合、第一壁の構造健全性は非常に低くなる。第一壁内をき裂が貫通すれば、核融合炉の安全性を脅かす要因の一つになりうる。本報では、このような使用環境にさらされるフェライト鋼またはSiC/SiC複合材料で製造した核融合炉第一壁が抱える構造健全性上の課題を整理した。
小西 哲之
プラズマ・核融合学会誌, 78(11), p.1157 - 1164, 2002/11
ITERの安全ロジックに基づいて、核融合動力プラントの安全性について考察した。ITERの方法論は核融合の原理的安全の本質に根ざしたものであり、多くの部分で動力プラントでも適用できる。即ち、放射性物質とエネルギーのソースタームを摘出し、そのハザードの大きさと経路を解析するものであり、核分裂と比較すればその規模と経路の遠さが対策を容易にしている。ITERと動力炉の最大の違いはトリチウムとエネルギーの共存するブランケットであり、インベントリーは同規模でありながらトリチウム処理系の性格が大きく異なる。大量トリチウム除去系が能動的に常時トリチウム放出を管理する特徴から、核融合プラントは異常時のためのシステムを特別に必要としない。
小西 哲之; 飛田 健次; 西尾 敏; 岡田 英俊*; 栗原 良一
Fusion Science and Technology, 41(3), p.817 - 820, 2002/05
実験炉の次の段階のデモ炉にむけたトリチウム工学に関する技術的課題をレビューした。トリチウム燃料の安定供給は重要である。初期装荷トリチウムが原型炉において自給できることは指摘したが、一方余剰のトリチウム生成も問題であり、増殖率TBRの制御は今後核工学の観点で検討が必要である。トリチウムプロセス,安全の問題の力点は燃料から熱媒体に移る。事故時の安全対策は基本的にはとじ込めと除去系によるが、通常運転での放出量制御は空気及び熱媒体からのトリチウム除去回収プロセスの性能に依存する。環境影響も通常時放出が生態系に及ぼす複雑な影響が重要となる。これらの問題はいずれもエネルギーとしての核融合の社会経済的評価に影響を及ぼすので、その観点からのプラント概念の構築が必要である。
not registered
JNC TN1400 2001-014, 437 Pages, 2001/10
平成8年度平成12年度の核燃料サイクル開発機構における安全研究は、平成8年3月に策定(平成12年5月改定2)した安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)に基づき実施した。本報告書は、動力炉分野(新型転換炉及び高速増殖炉分野の全課題並びに耐震及び確率論的安全評価分野のうち動力炉関連の課題)について、平成8年度平成12年度の5ヵ年の研究成果を安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)の全体概要と併せて整理したものである。
栗原 良一; 植田 脩三; 西尾 敏; 関 泰
Fusion Engineering and Design, 54(3-4), p.465 - 471, 2001/04
被引用回数:10 パーセンタイル:59.01(Nuclear Science & Technology)原研で概念設計を行った将来の核融合動力炉DREAMのSiC/SiC複合材料製ブランケット第一壁を対象に有限要素解析を行った。第一壁端面で熱膨張が拘束された場合の曲げ変形と応力分布を解析した。また、第一壁表面に亀裂を想定し、予備的な破壊力学的評価を実施した。その結果、第一壁の設計では熱膨張を逃す工夫が必要であることがわかった。また、SiC/SiC複合材料では繊維ブリッジによる亀裂進展阻止効果が認められた。
高瀬 和之
Fusion Engineering and Design, 49-50, p.349 - 354, 2000/11
被引用回数:6 パーセンタイル:42.66(Nuclear Science & Technology)核融合動力炉設計では、定常運転時の第一壁ブランケット部の表面熱流束は1MW/m程度を考えており、この程度の熱流束域では原子炉の環境安全性及び経済性の面からガス冷却が有望である。しかしながら、ガスは水や液体金属などに比べて熱容量が小さいので熱伝達率を向上させるための工夫が必要である。そこで筆者は、高温ガス炉用突起付き燃料棒の伝熱促進に関する研究成果をもとに、ヘリウムガス冷却式核融合動力炉の冷却材流路に粗面流路を適用することを考えた。従来の矩形突起付き流路の熱伝達実験の結果から、突起ピッチと高さの比が10でレイノルズ数が約50000以上の条件のときに約1MW/mの除熱量を得られることがわかった。また、突起による流路摩擦損失の増加以上に伝熱が促進される条件(突起サイズ、レイノルズ数等)を定量的に明らかにした。本研究は、ガス冷却式核融合動力炉の第一壁ブランケット部用冷却材流路として突起付き流路が十分な適用性を有していることを示した。
西尾 敏; 牛草 健吉; 植田 脩三; Polevoi, A.*; 栗田 源一; 飛田 健次; 栗原 良一; Hu, G.; 岡田 英俊*; 村上 好樹*; et al.
JAERI-Research 2000-029, 105 Pages, 2000/10
本論文は、定常トカマク核融合原型炉SSTR、コンパクトで高出力の改良型定常トカマク動力炉A-SSTR及び環境適合性を高め稼働率向上を目指した大型核融合動力炉DREAM等の設計をベースに、高い経済性、稼働率を有し環境適合性に優れた小型で大出力の高効率核融合動力炉A-SSTR2のプラズマ物理の成立性を論じたものである。JT-60で得られている実験データをもとにこれからの炉心プラズマ研究の進展を予測して、主半径6.2m、小半径1.5mでプラズマ電流が12MAの高磁場トカマクとし、規格化値4で4GWの核融合出力とした。超伝導コイルは高温超伝導を用いた高磁場コイルとし、最大経験磁場を23Tとした。超伝導マグネット系の簡素化及び強い電磁力支持の観点から、中心ソレノイドコイル無しの設計とするとともに、分解・保守用大型水平ポートを想定して、ポロイダル磁場コイルを装置の上下に6個の設置することとした。このような著しく簡素化されたコイル系で、プラズマの平衡、形状制御性、着火、12MAまでの非誘導電流駆動立ち上げ、ダイバータを検討し、A-SSTR2概念の成立性が明らかにされている。
久保田 健一; 川崎 信史; 梅津 陽一郎; 赤津 実*; 笠井 重夫; 此村 守; 一宮 正和
JNC TN9400 2000-063, 221 Pages, 2000/06
電力・エネルギの利用形態の多様化、供給地の分散化等の要求に適用しやすい「多目的小型炉」について、過去の小型炉の文献調査を行って高速炉での可能性を検討した。また、モジュール化することで習熟効果の早期達成による経済性向上が期待されることから、基幹電源として廉価な初期投資額に魅力がある「中小型モジュール炉」の可能性を検討した。その結果をまとめると次のようになる。(1)多目的小型炉(a)多目的小型炉の出力規模を10MWe150MWeとすると、大規模なコジェネ、比較的大きな島嶼用電源、中規模都市の電源、淡水化電源(ダム建設の代替え含む)及び中小規模の船舶用動力炉と幅広いニーズ(市場)の可能性がある。(b)多目的小型炉の要件としては受動的機能を備えるとともに燃料交換頻度を極力少なく(長寿命炉心)、保守・交換機会を局限して運転員の負担軽減することが求められる。燃料交換頻度を極力少なくするための長寿命炉心は、FBRの特長が活かせる。この事は、海外市場を視野にすると核不拡散の観点からも重要な要件となる。(c)我が国で検討されているNa冷却の4S炉(50MWe)、鉛-Bi冷却4S型炉(52MWe)及びHeガス冷却PBMR型炉(100MWe)並びに米国で検討されているNERIプロジェクトの鉛-Bi冷却ENHS炉(50MWe)及びANLからの公募概念の鉛-Bi冷却炉(約100MWe)等の高速炉設計について分析し、実用化戦略調査研究での多目的小型炉の設計要求条件を検討した。(2)中小型モジュール炉(a)複数基の原子炉モジュールの総発電量が3200MWeの中小型モジュール炉のプラント建設費が、大型炉ツインプラントの設計目標である建設費20万円/kWe(30003200MWe)と匹敵競合するためには、単基モジュール炉の出力が800MWeでは初号モジュール26万円/kWe、400MWeでは28万円/kWe、200MWeでは29万円/kWe以下を夫々目標とする必要がある。(b)SPRISM(400MWe)と4S型(200MWe)の設計を分析した結果、複数のNSSS構成のモジュール化は、遮蔽、炉容器、熱交換器等の必須機器の増加による物量増加が大きく、物量的に大型炉と競合するには中小型炉の特徴を活かしたさらなる合理化が必要と考えられる。
栗原 研一
プラズマ・核融合学会第39回若手夏の学校, p.3 - 25, 2000/00
エネルギー及び環境問題は、今日大きな社会問題の一つである。如何なる人間の活動にも大量のエネルギーが必要であり、またその活動自体の評価には、環境という観点が必要となっている。そこで21世紀の核融合エネルギー開発を、この「エネルギー及び環境」問題という視点で検討し、その位置付けの明確化を目的とした。内容は以下のとおり。エネルギー問題については、(1)資源量,(2)エネルギー収支,(3)温暖化影響,(4)安全性・廃棄物等の各点で検討した。環境問題については、(1)地球温暖化問題,(2)酸性雨問題,(3)オゾン層破壊,(4)汚染化学物質,(5)環境ホルモン,(6)放射線・放射性物質,(7)電磁波,(8)熱放出,の各点である。以上の検討を通して、核融合エネルギー開発が、エネルギー問題においても優れた特徴を有し、環境問題では現在の環境を悪化させたり新たな環境問題を発生させず、環境適合性の高いエネルギー源であることを確認した。
栗原 研一
プラズマ・核融合学会誌, 74(7), p.675 - 684, 1998/07
環境問題は、今日大きな社会問題の一つである。如何なる人間の活動の評価にも、この「環境」という観点が必要となっている。そこで核融合エネルギーを、環境適合性という観点で検討した。まず、環境問題を論ずる上での背景を整理し目的を規定する。次に、環境問題の現状を概観し、検討すべき項目の網羅・整理を試みる。扱った環境問題は、(1)地球温暖化問題、(2)酸性雨問題、(3)オゾン層破壊、(4)汚染化学物質、(5)環境ホルモン、(6)放射線・放射性物質、(7)熱放出、(8)電磁波、である。これをふまえ、核融合動力炉が、環境問題にどのような形で関係するかまた適合し得るかどうか、可能性も含めて明らかにした。結果的には、核融合動力炉の導入は、現在の環境問題を悪化させない、新たな環境問題を発生させない、一部の環境問題の解決に貢献する、ということを確認した。
栗原 研一
核融合動力炉実用化技術に関する調査, p.43 - 59, 1998/02
環境問題は、今日大きな社会問題の一つである。いかなる人間の活動の評価にも、この「環境」という観点が必要となっている。そこで核融合エネルギーを環境適合性という観点で検討した。まず、環境問題を論ずる上での背景を整理し目的を規定する。次に、環境問題の現状を概観し、検討すべき項目の網羅・整理を試みる。扱った環境問題は、(1)地球温暖化問題、(2)酸性雨問題、(3)オゾン層破壊、(4)汚染化学物質、(5)環境ホルモン、(6)放射線・放射性物質、(7)熱放出、(8)電磁波、である。これを踏まえ、核融合動力炉が、環境問題にどのような形で関係するかまた適合し得るかどうか、可能性も含めて明らかにした。結果的には、核融合動力炉の導入は、現在の環境問題を悪化させない、新たな環境問題を発生させない、一部の環境問題の解決に貢献する、ということを確認した。
栗原 研一
プラズマ・核融合学会「核融合動力炉実用化技術に関する調査」, p.43 - 60, 1998/02
環境問題は、今日大きな社会問題の一つである。いかなる人間の活動の評価にも、この「環境」という観点が必要となっている。そこで核融合エネルギーを、環境適合性という観点で検討した。まず、環境問題を論ずる上での背景を整理し目的を規定する。次に、環境問題の現状を概観し、検討すべき項目の網羅・整理を試みる。扱った環境問題は、(1)地球温暖化問題、(2)酸性雨問題、(3)オゾン層破壊、(4)汚染化学物質、(5)環境ホルモン、(6)放射線・放射性物質、(7)熱放出、(8)電磁波である。これを踏まえ、核融合動力炉が環境問題にどのような形で関係するかまた適合し得るかどうか、可能性を含めて明らかにした。結果的には、核融合動力炉の導入は、現在の環境問題を悪化させない、新たな環境問題を発生させない、一部の環境問題の解決に貢献する、ということを確認した。
館盛 勝一
JAERI-Review 97-018, 37 Pages, 1998/01
本報告書は、隣の核大国である中国における使用済み核燃料再処理技術の開発の経緯をまとめたものである。その内容は、初期における旧ソ連からの技術導入による沈殿法の検討、ピューレックス法への転換、パイロットプラントの建設、軍事用再処理工場の建設、運転、そして発電炉燃料の再処理技術開発などである。ここでは、読者の理解に役立てようと、清華大学朱教授の記念講演等いくつかの参考資料も後に追加した。
植田 脩三; 西尾 敏; 関 泰; 栗原 良一; 安達 潤一*; 山崎 誠一郎*; DREAM-Design-Team
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1589 - 1593, 1998/00
被引用回数:43 パーセンタイル:93.87(Materials Science, Multidisciplinary)核融合動力炉の主要な要件として、設備利用率に直結した保守性、経済性を向上させる高い熱効率の実現、環境安全性に優れていることが挙げられる。著者らは、炉内機器の構造材料としてシリコンカーバイド複合材を採用し動力炉概念を構築することを試みた。シリコンカーバイド複合材は低放射化材料でありかつ耐熱材料でもある。また、電導率が小さい。配置に関して、プラズマ設計の要件を満たしながら保守のアクセスを良くするように全体構造を工夫した。ブランケットは、モジュール構造としトリチウム増殖率が正味で1.1が得られるよう中性子増倍材、トリチウム増殖材、遮蔽体の寸法を適正化した。その結果、保守作業は炉停止後1日から開始可能なこと、保守作業はセクター引出方式により簡単化されること、正味の熱効率は47%となること、廃棄物の観点から見ても優れていることが分かった。
那珂研究所
JAERI-Review 95-021, 103 Pages, 1995/11
1994年4月1日から1995年3月31日までの日本原子力研究所那珂研究所の核融合研究開発の成果をまとめた英文年報である。JT-60U、JFT-2M、日米協力によるDIII-Dでのトカマク実験、プラズマ理論・解析の結果、ITER工学設計活動(EDA)での超電導、加熱、ダイバータ、炉構造、遠隔保守、トリチウム工学、安全、等の核融合技術、EDAでの設計、核融合動力炉DEAMの概念設計等の成果を報告する。
C.Kirchsteiger*
JAERI-M 92-186, 21 Pages, 1992/11
確率論的安全評価においては、機器故障率は、対象システムの機能喪失確率の現在値及び変化の傾向を予測するために必須の情報を与えるという意味でキーとなるパラメータである。を変化させる因子は多種多様である(例えば、運転時間、保守の方法、機器の使用環境)。従って、に関する研究の優先度を検討するために、これらの因子の「重要度付け」の手法が望まれる。そのような重要度付け手法がコストエフェクティブであるためには、モデリングの労力が少なくて済むこと、即ち、以外には、特別のパラメータを推定する必要がないことが重要である。本報告書では、多変量解析等の統計分析の手法を用いて、妥当なコストで実施できる重要度付けの手法を開発した。本手法により、注目する任意の機器の故障率を支配する因子を容易に同定することができる。また現在の研究計画の妥当性検討(例えば、経年変化に関する研究の必要性)にも役立つものである。
羽賀 一男; 大坪 章; 片岡 一; 立邊 和明; 清野 裕; 水野 朋保; 渡辺 兼秀
PNC TN9420 92-013, 226 Pages, 1992/10
原子炉の熱エネルギーやラジオアイソトープの崩壊熱の利用技術の開発は、宇宙における発電源として旧ソ連、米国を中心約30年の歴史があり、一部は実用化されている。その中で原子炉用いるものでは、液体金属冷却炉が主流である。この分野における文献を、第8回宇宙原子動力システムに関するシンポジウム(米国、アルバカーキ、1991年)を中心に、国際会議稿、専門誌等から39編選び、要約それをそれぞれ作成した。本報告書の範囲は、システム全体、炉物理、冷却系、発電系、ロケット推進、耐高温材料、燃料、制御、安全性、試験計画、規制、全体計画、と多岐にわたり、これで世界における最近の全体的な開発動向が分かる。なお、本報告書は前報(PNC TN9420 91-007「宇宙動力炉に関する文献調査3」)の続編であり、文献番号はそれと通しである。
河野 秀作; 佐藤 俊一; 後藤 明; 宮内 正美; 川又 盛克; 舘野 久夫; 前田 誠一郎
PNC TN8450 92-008, 639 Pages, 1992/06
新型転換炉「ふげん」に照射用ガドリニア燃料集合体を6体装荷するに当り、燃料の照射段階における比較評価及び照射後試験の結果を評価するために、燃料製造時に詳細なデータを採取する必要がある。本データ採取計画では、照射試験の目的を踏まえ、通常の品質管理で採取するデータに加え、従来の経験に基づき燃料性能評価上有用となるデータを燃料製造時に採取した。本報告書は2分冊から構成され、第1分冊には1.部材データ2.燃料ぺレットデータ3.燃料体(燃料要素を含む)データ第2分冊には1.燃料ペレット寸法検査ヒストグラム(外経・高さ・密度)2.燃料要素プルトニウム富化度識別チャート3.燃料要素外径測定データを収録した。なおMOX燃料ペレットの製造はプルトニウム燃料工場製造課、UO/SUB2-Gd/SUB2/O/SUB3燃料ペレットの製造と燃料棒加工はメーカー、MOX燃料加工は加工課、検査は検査課が担当し、データのとりまとめは、炉心・燃料設計室とプルトニウム燃料開発室とで協力して行った。
吉田 浩; 重 隆司*; 長谷川 操*; 榎枝 幹男; 成瀬 雄二
JAERI-M 92-066, 53 Pages, 1992/05
液体金属ブランケットにおいては、ブランケット材と構造材との共存性がシステム成立性を左右する課題の一つとなっている。低融点Li17Pb83は、Li,LiF-BeFに比べて反応性が低く有力なブランケット材と考えられている。この材料に関する最近の研究によれば、フェライト系構造材(Cr-Mo綱)の溶接部において、ハンダ脆性破壊の起こることから、高温・高圧の動力炉ブランケットの安全設計について十分な注意が必要であることが指摘されている。いわゆるself-coolingブランケットではMHD効果等によりかなりの応力が配管系内に生ずると考えられる。本研究では、SUS316及び9Cr-1Mo試験片に様々な応力を附与した条件でハンダ脆性の有無を実験した。この結果、SUS316では、70~80%破断応力の下で(500C)、そのような現象が起こることを確認した。(今後、その応力限界を把握するための実験も進める予定である)。